■ETLって?

 時々、街中で「THE BIG ISSUE」を買います。
もう春ですが冬の特集が”修繕生活”でした。記事の中で、うわっこれいいな!と
思ったものがあったので、ご紹介します。

 ETLとは「エジンバラ・ツール・ライブラリ」の略で、工具の図書館、つまり工具貸出し。
500アイテム貸出自由!というスコットランドでのお話です。
NGOの就労コーディネーターとして働いていたクリス・ヘラウェルさんという方がカナダ旅行から戻った時、トロントのツール・ライブラリの成功をお手本に自らプロジェクトを立ち上げたのです。最初は慈善活動として始めたそうですが、現在は地元コミュニティの住民が年会費20ポンド(約2500円)を払って会員になると、作業の規模に関わらず、大工道具やガーデニング用具、自動車整備用具など500アイテム以上の豊富な工具を自由に借りることができるのです。
 
 記事には図書館をモデルにしたこと、そして、多くの人が二つの基本理念を理解してくれたことにより口コミで人気が出たと書いてありました。その二つの基本理念とは①自宅やコミュニティをよりよくするための道具を提供すること②いたずらな消費を避け、今までにない新しい方法でシェアリンングを行うこと。確かに工具類は専門的な知識がないと難しいものもありますが、ちょっと教えてもらえたら自分でやってみようと思う人も多いはず。そんな時ETLのような所があれば、もっとモノも大切にするし地域のつながりも強くなるのではと思います。ETLの支援とアドバイスで自分の家の壁を塗りなおした人、同じくETLの道具を使うことで技術を磨き、仕事の幅が広がった人、クリエイティブな作品を作るようになった人、多くの人が恩恵をうけているようです。
今後のクリスさんの計画として、実習生になりたいという要望が多いのでメンター(指導役)の募集を行う予定だそうです。これは引退した職人がホームレスや長期間の失業経験者らに技術を個別指導し、実習生たちは技術を学びながら実用品やアート作品を作って地元コミュニティにも役立てるというもの。
 
 日本ではリペアカフェというものが2015年に始動しているそうです。
こちらは大藤敦子さんと娘さんが「直したいものを持ち込んでわからないところを知識のある人に聞きながら補修できる場所があればいいよね」というところから、オランダのアムステルダムに実際にそのようなところがあり、コンタクトをとって「Repair Cafe Japan」として登録することができたとあります。
リペアカフェ協会 Japan 東京/足立区加賀2-30-7  大阪/大阪市福島区福島8-2-8
0120-266-299  atsuko.ofuji@facebook.com