■殿様の入浴事情
猛暑のニュースが続いていますが、皆さんは暑くても気分よく入浴できていますか?
日経ビジネス2010.8.2号に面白い記事がありましたので抜粋します。
この記事を読んで、お殿様の生活もそれほど快適ではないなぁと思いました。
「大名になるものではない」
広島の42万6000石の最後の藩主浅野長勲(ながこと)はそう嘆いたそうです。
湯殿までの行き帰り、いつも麻の袷の浴衣一枚。夏はいいとして、冬は寒くてたまらないが、「寒い」などと言えないのが殿様。
風呂に入るのも大変。まず、お供の小姓を湯殿の戸口に待たせて中に入る。体も自分で洗うわけではなく、湯殿に側坊主という体を洗う者が控えている。湯加減を決めるのも面倒で、家来が湯の温度を十分に確かめているのだが、熱くて入れない場合もある。その時も自分で湯を水でうすめることもできず、側坊主に告げることもできない(身分の低い者に直接言葉をかけることができない為)。
 
ではどうするかというと、殿様は「熱い、どうも熱くて入れぬ」とわざとらしく独り言を言い、それを聞いた側坊主が外に控えている小姓に「殿様には御意のご様子でございます」と伝える。すると小姓が「殿、お言葉にございますか」。「どうも湯が少し熱いようである」。こうしてやっといい湯加減にしてもらえるそうだが、その間殿様は立ちっぱなし。
これではゆっくりできる入浴も楽しめません。「大名になるものではない」。納得です。
   
入浴の話をもう一つ。気持ちのいい汗をどんどんかくことで夏バテ防止になるそうです。入浴による発汗もその一つ。暑いからといって湯船につからず、シャワーで済ます人も多いと思います。シャワーは気持ちいいですが、どうも疲れが取れた気がしません。
湯船につかって38〜39℃のぬるめのお湯で半身浴をして汗をかくと、夏バテを解消するのに効果的だそうです。