■ビジネス支援図書館レポートB

3.熊本のビジネス支援図書館推進活動

 
 熊本のビジネス支援図書館推進活動に関しては、遡って考えると電通大の竹内特任教授(協議会会長)との出会いから始まったことになる。竹内先生とは2001年6月に診断協会の東京支部の会合で知り合った。2003年8月に来熊された折りに、初めてビジネス支援図書館推進活動の話をお聞きし大いに共感し、その後は県外出張のたびに、北は関東から南は沖縄までビジネス支援図書館を17館ほど訪問してきた。図書館訪問時は、館内見学や館長、司書の方々と意見交換もさせていただいてきた。
 2004年9月に熊本県立図書館で、ビジネス支援図書館検討委員会が開催され、私も委員として参加することになったが、これが発端となって現在に繋がっている。館長がビジネス支援図書館に熱意を持っていたこともあり、折に触れて私も相談を受け、竹内先生にも数回、熊本に来ていただいた。その結果、2005年2月に図書情報コーナーを設置することになり、都道府県立図書館としては、全国で10番目のビジネス支援図書館となった次第である。
 一方、診断協会熊本県支部では2006年4月に、企業内診断士と独立間もない診断士の有志による「地域診断士研究会」が、支部研究会の一つとして活動を始めた。半年過ぎ軌道に乗ってきた段階で、「図書館ボランティアとしての起業・経営相談会への参画」を提案したところ、メンバーの賛同を得ることができたため、「中小企業診断士による起業・経営相談会」の企画を図書館長に提言した。館長には非常に興味を持っていただき、具体化に向けての打合せを重ねた末、2007年5月から起業・経営相談会をスタートすることができ、現在に至っている。
☆ 電通大 竹内先生の記事紹介 ☆ 
J-net21中小企業ビジネス支援サイト
http://j-net21.smrj.go.jp/know/s_hiroba/kitai_12-3.html
4.「ビジネス支援図書館フォーラムinくまもと」開催の背景

 熊本県立図書館がビジネス支援図書館としての活動を始めてから、竹内先生を招いての研修会や講演会を開催したり、図書館司書のワーキンググループの会合に地域診断士研究会メンバーがオブザーバー参加したり、また地域診断士研究会の会合では、図書館相談内容の事例研究を行ったりしている。起業・経営相談会の際も、相談前や相談後のレファレンスサービスなど、司書の方々との連携で相談者サービスの向上に繋げている。またインターネット端末を置いて、その場の必要情報の検索やプリントアウトサービスを行ったりもしている。
 起業・経営相談会も2年目に入り、図書館のスタッフや司書の方々とも徐々に息が合うようになってきたところである。このような中で11月30日(日)に起業・企業関係者など一般の方々に加え、公共図書館職員・自治体の産業支援関係職員合わせて61名の参加を得て、「ビジネス支援図書館フォーラムin熊本」が熊本県立図書館で開催されることになった。当フォーラムの副題は「地域ニーズに応えるビジネス支援図書館を考える」であり、開催趣旨は以下のとおり。
 熊本県立図書館は、仕事や生活に役立つ情報提供活動の取り組みの一環として、図書館の持つ情報蓄積をベースに、インターネットやデータベース等を活用し、これを運用する司書を中心に、「創業・経営改善」を支援するサービス機能を付加したビジネス支援図書館として活動している。今回、有識者・起業家等の様々な方々と意見交換等を行うことにより、県内図書館におけるビジネス支援サービスの充実を図るため、「ビジネス支援図書館フォーラムinくまもと」を開催する。
 
「ビジネス支援図書館フォーラムinくまもと」より 〜パネルディスカッションの様子〜