■ビジネス支援図書館レポートA
 では、「企業診断ニュース」1月号に掲載された「地域のビジネス支援図書館推進レポート〜『ビジネス支援図書館フォーラムinくまもと』開催〜」を以下に紹介する。

地域のビジネス支援図書館推進レポート
  〜「ビジネス支援図書館フォーラムinくまもと」開催〜
1.はじめに
 「ビジネス支援図書館」という言葉を聞くと、殆どの人が「図書館とビジネス支援と関係があるの?」との反応を示す。そこで日本でのビジネス支援図書館の概要を紹介しておく。
ジャーナリスト菅谷明子氏(ニューヨーク在住)がニューヨーク公共図書館SIBLのビジネス 支援サービスを紹介したのをきっかけに、2000年12月にビジネス支援図書館推進協議会(以後は協議会と略す)が発足した。協議会は、「図書館の持つ情報蓄積をベースに、Webやデータベース等を装備してIT化を図り、これを運用する司書を養成して、図書館に創業とビジネスを支援する機能を付加したビジネス支援図書館が全国に生まれることを支援する」ことを目的として設立された。
 協議会設立前から活動しているビジネス支援図書館としては、浦安市立図書館が有名であり、私も2004年7月に訪問したことがある。今年7月の協議会調査によると、全国に図書館は約3000館あり、そのうちの約192館(初年度13館)がビジネスコーナーを設置しており、都道府県立図書館では現在28館(初年度2館)ある。今後、ますます全国的な普及浸透が図られていくように感じている。

〜竹内利明・電通大教授の講演資料より〜

2.中小企業行政とビジネス支援図書館
 中小企業庁も初期段階からビジネス支援図書館には興味は示していたが、図書館が文部科学省管轄であることもあり、そのまま施策に関連付けることはしてこなかった。しかし2006年版の中小企業白書コラムに「ビジネス支援図書館の活動」が掲載され、それ以降はビジネス支援図書館を企業支援の場として活用する方向にあり、図書館と中小企業診断士との結びつきも広がりをみせ始めている。
 2006年10月から、中小企業庁のモデル事業として「中小企業診断士による起業・経営相談会」が東京都立中央図書館、新宿区立中央図書館、新宿区立角筈図書館の3館で試行され、今も継続活動中のようである。
時を同じくして各地域での図書館と診断協会支部との連携が動き始め、2007年5月には熊本県立図書館、10月に広島市立図書館、2008年4月に新潟市立中央図書館でサービス開始され、現在は山口県立図書館でもサービス導入を検討中となっている。この流れはますます加速して、全国的に急速に広がっていくことになるであろう。熊本県立図書館は、民間からの企画提案で実現した初めての事例であり、少し紹介をさせていただきたい。

熊本県立図書館
 ビジネス情報サービス事業 案内
http://www.library.pref.kumamoto.jp/onchikan/
bussiness-soudankai-h2101.htm


〜竹内利明・電通大教授の講演資料より〜