■ビジネス支援講座B
 
  第2回目(2月26日)は51名の参加者で、その中の10名ほどか新規参加者のようであった。アンケート
 の整理が終わっていないので推測であるが、1回目に参加した図書館関係者はマーケッティングという
 テーマだったこともあり、殆ど参加していないようである。逆に地域中小企業では、非常に弱いマーケッティ
 ングに興味を持っている人も結構いたようである。
  石川さんの話は、「ビジネス情報を活用して事業を創る、商品を創る」というテーマで@市場を意識した
 研究開発の重要性、A新製品開発、新事業開発とマーケッティング、B製品開発、事業開発と調査・情報
 収集の関係、Cビジネス情報の種類、Dビジネス情報の収集方法、E情報源、Fビジネス情報収集事例
 という順番での話が進められた。感想を聞いてみると「マーケッティングとは何か」が全く分からなかった
 のが、具体的に分かってきたという人も多かったように感じた。
  特に印象深かったことについて触れておくこととする。


時代の変化に対応して、ますます市場環境を意識してビジネスを行う必要性が高まってきており、そのためには「市場を見ること=的確な情報収集」が大切になっている。
マーケッティングは「販売(シーズ主導型)」「商品企画+販売(ニーズ主導型)」「商品企画〜販売(コンセプト主導&検証型)」と狭義のマーケッティングから、広義のマーケッティングまであるが、近年は広義の解釈で動く時代となっている。
キャッチアップ型をボート型(過去を見て前に進むやり方)、フロントランナー型をカヌー型(前を見て前に進むやり方)の表現は初めて聞いたが面白かった。
文献探しの王道は、@官公庁資料、A業界団体・工業界資料、B民間調査会社資料、C業界専門誌・専門紙の順番で調べること、その後に1次調査(独自の調査)を行うことになる。絞り込むまでは金がかからないことから始め、絞り込めたところで大きな金を使うことと解釈している。
インターネット情報については、うまく使い分ける技術も必要であり、各種情報の特性を理解しておくことも大切である。
マーケッティングをしっかりすることで、成功が保証されるわけではないが、成功確率が大幅に高まることは事実である。はっきりしたデータではないが、10倍以上の成功確率になると考えている。
市場調査での評価が高いから売れる商品になるかというと、必ずしもそうではない。事例として、ポテトチップのカレー味はどこが調査した場合もトップ評価となるが、商品化しても売れ行きは思わしくない。いろいろ調べていくと、カッパ海老センは「食べ始めたら止められなくなる」と表現されるが、カレー味は「少し食べるとおいしいが、続けて食べていると嫌になる」というような特性があるとのこと。
対談のときに、中小企業の4大支援ニーズは、@資金調達、A販路開拓、B人材不足、C技術開発であるが、本当はそれ以前のこととして、「マーケッティング、商品企画、商品化技術」がある。それに加えて、パテントで押さえることを全く考えていない企業が多い。下請企業においては、この傾向が一段と強いというような話をしておいた。




石川さんには、あとでの相談会で私の支援している天草池田電機という会社のメンバー4人の相談も受けていただいた。
天草池田電機は、オムロンの子会社だったオムロン天草を閉鎖する本社方針が出たときに、従業員(約150名)の雇用を守りたいと、当時の工場長が4年前に引き継ぎ創業した会社である。(天草には100名以上の雇用をしている会社は数社しかありません)現在はオムロンからの受注で食べていけますが、将来はオムロンからの受注はあてにならないと考えておく必要があり、自社商品を開発して竹内さんの話にあった「自立型中小企業」を目指しているところである。