■ビジネス支援講座A

  前回の概要に続き、2月19日に行われた電通大・竹内客員教授の講演「図書館を活用した事業計画
 立案〜中小企業及び創業者のための事業計画立案のポイント〜」のことについて触れておく。
 竹内さんの講演の際は、用意したレジメに沿ってではなく、受講者の実情を見極めたうえで、内容をそれ
 に合わせて講演をされたのには、驚かされてしまった。特に印象深かった内容に簡単に触れておきたい。  
  
 今からの中小企業は、キャッチアップ経済の成功モデル「下請型中小企業(既知へのチャレンジ)」
 から、フロントランナー経済の成功モデル「自立型中小企業(未知へのチャレンジ)」に変わっていく
 必要がある。
  起業には、先ずはミッション(使命、理念)が大切であり、5W2Hでビジネスモデルを簡潔に(短時間
 に、的確に)表現できるようにブラッシュアップする訓練していくことが大切である。
  展示会では、セールストークするのではなく、来店者の話を聞くことに専念すべきである。展示会を
 自社商品のアピールの場と勘違いしているところが多いが、本来はニーズ調査の場である。自らユーザー
 ニーズを把握するために動くことは非常に大変なことであるが、展示会ではユーザーが自ら自社のブース
 を訪問してくれ、自社商品の評価までしてくれる機会を活かすべし。自己満足の商品ではなく、
 市場が求める商品づくりをやるべし。
 *図書館のレファレンスサービスは、答えを教えることではなく、調べたい情報の素を多面的に
 捜して提供することである。
 *ターゲットが決まっていない創業支援で大切なことには、2つのケースがあり、@時間的余裕
 がない人には創業支援機関を教え、そこで掴んだ調査ニーズを持ってレファレンスサービスを
 行い、A時間的余裕がある人には、漠然とした範囲でのいろんな資料を見まくってもらい、少し
 づつ考えが整理されてきたときにレファレンスサービスを行うことである。
 また司書と話をすることで、新たなアイデアが浮かんだり、自分の考えを整理することもできる
 ケースも多い。




 
 対談の際には、話が幅広く展開されたが、私のほうから提示した「ビジネス支援に、
なぜ図書館活用なのか?」について、記載しておく。
アメリカでは、企業家が成功するために最も活用している公的な場所は図書館である。
中小企業のビジネス支援で最もニーズの高い「土・日や平日夜」に開館している公的
な場所は図書館である。中小企業支援機関は全くやっていない。
図書館は本や資料だけでなく、インターネットサービスやDBサービスも行っており、
幅広い情報を得ることができる場である。
初めての訪問者にとって、中小企業支援機関は敷居が高いが、図書館は敷居が低い
場である。
自分が知りたい情報のリファレンスサービスを受けることができる。(但し目的が明確な
場合に有効)
  なお、「熊本でのビジネス支援機関」については、ビジネスインキュベータから、県中小企業支援機関、
 商工3団体、施術支援機関東の紹介も行っておいた。