■ビジネス支援図書館

 ビジネス支援図書館については、以前も触れたことがあるが、一つの節目を迎えたこともあり、再度採り上げることとした。

 5年前に東京の委員会に出席した折に、中小企業庁・石井氏の紹介で、「経営革新支援法」の計画書類等を企画された現電気通信大学・竹内特任教授と知り合う機会があった。一昨年夏にメールで久しぶりに連絡をいただき、来熊される際に私に会いたいとの話であり、くまもとテクノ産業財団にお越しいただき、企業支援に関する意見交換や企業紹介をしたことがある。そのときに竹内さんから「ビジネス支援図書館推進協議会」の話を聞き、初めてその活動内容を知り、その考え方に賛同したことがきっかけである。熊本でもビジネス支援図書館の設置を促進したいと考え、電通大に竹内さんを訪問して種々の勉強をさせていただくと共に、日本での先進図書館の紹介等を受けて訪問したりしてきた。

 竹内さんからのご紹介で訪問したところには、最も有名な浦安図書館(常世田ビジネス支援図書館協議会会長に案内いただいた)をはじめ、竹ノ塚図書館(新井館長)、都立中央図書館、大崎ビジネス図書館、大阪府立中の島図書館沖縄県立図書館、沖縄市立図書館などがある。
いずれも別件の仕事で各地を訪問する機会を利用しての訪問であったが、竹内さんから各館の担当の方を紹介いただき、訪問先ごとでいろんな方々と話をすることができ、また自分の目で確かめることもできたので、各館の実情を知ることができ非常に勉強になった。またビジネス支援図書館推進協議会にも入会し、MLを通しての情報交換も実施させてもらっている。

 これらの情報を県や財団に情報提供し、「今からは熊本でもビジネス支援図書館の設置が必要」とのことを発信してきていたことで、熊本でのビジネス支援図書館の設置に際して、はじめから参画することができたので、その経過を紹介しておく。
 平成16年8月に熊本県立図書館から「ビジネス支援に関する意見交換会」への参加要請が県や財団にもあった時に、県や財団の方からビジネス支援図書館について教えて欲しい旨の連絡が同時に来たことがある。これこそ事前の情報発信の成果である。それぞれに入門編の書籍の紹介や概要の話を伝えると共に、私もオブザーバーとして参加させて欲しい旨も伝えたところ、結果的に財団担当として私が出席することとなった。
 その会合に喜んで参加して、私が把握している種々の情報提供を行ったが、竹内さんにも熊本でもビジネス支援図書館設置に関する会合が始まった旨を連絡したところ、数日後に宮崎に講演で来る予定のある竹の塚図書館の新井館長に来熊いただくこととなった。幸いなことに新井館長は熊本県出身の方で、高校の後輩でもあり、その後も親しく情報交換をさせていただいている。そのときには、県教育委員会や県立図書館、市経済企画課に同行訪問したりして、ビジネス支援図書館の実態について多くの方々に触れていただくことができた。その後に電通大の竹内客員教授にも熊本に来ていただき、同様に各所で、啓蒙及び意見交換を実施したりもしてきた。このような活動にも促進されて、平成17年2月に熊本県立図書館にビジネス支援コーナーが設置され、竹内さんにも再来熊時に見ていただくこともでき、心から喜んでいただいた。
 熊本市にも経済企画課を通してビジネス支援図書館に関する情報提供をしていたところ、市の教育委員会よりもアプローチあり、新幹線開通に向けて新駅ビルに市が目玉として図書情報センターを作る計画があるとの説明を受け、協力要請もいただいた。この件でも竹内さんとのやり取りの中で、再度来熊いただくこととなり、熊本県立図書館のビジネス支援コーナーを見ていただくと共に、熊本市と市教育委員会メンバーの方々への講演と意見交換会を実施していただいた。

 今年度に入り、「熊本市図書・情報センター(仮称)基本計画委員会」がスタートしたが、具体化検討への協力要請もあり、当委員会にも委員として参画している。委員会活動の中で、静岡市立御幸町図書館や相模原市立橋本図書館、それに佐賀市立図書館、小城市民図書館三日月館などの視察も行い、いろいろ議論も活発化してきつつある。
 2010年の新幹線開通と同時期に東A地区に市ビルが開設されることとなるが、その目玉としての「図書・情報センター(仮称)」となる予定だが、駅前市街地の活性化にも連動した施設づくりに参画できることを心から喜んでいるところである。