立石一真氏から学ぶ

 前回のライフワークで述べたように、昨年4月から、熊志共育塾1期生を素晴らしいメンバー7名による相互研鑽の場が立ち上がった。そして10か月間かけて「平田耕也氏から学ぶ」(熊本の地域資源である平田機工の故平田耕也氏の生き様から学び、自分ナイズする)をテーマに学び、1月の総括発表で修了した。
1期生全員がそのまま継続して今年2月から「立石一真氏から学ぶ」(熊本の地域資源であるオムロンの故立石一真氏の生き様から学び、自分ナイズする)のキックオフを済ませたところである。
両起業家の共通点は山ほどあるが、私は大きな相違点として「情の平田耕也氏」「理の立石一真氏」とのイメージで表現している。少し具体的に表現すると「人を活かす経営(人は無限の可能性を秘めている、顧客感動)」と「会社の未来に向けて方向を示すのが経営者の役割(SINIC理論、企業は社会の公器)」だとも話すようにしている。更に「凡人の成功は累積なり(温故知新)」と「ソーシャルニーズの創造(未来創造)」とか、「漸進的イノベーション」と「革新的イノベーション」といえるように思う。

 プラスワンについても、「平田耕也氏から学ぶ」の時は、最新情報提供、時代の変化事象、経営管理の本質的原理原則を塾頭解釈で紹介し意見交換するようにしていたが、「立石一真氏から学ぶ」においては、未来予測に繋がる内容を中心にしてやっていく予定である。
というのは、資本主義社会が行き詰りつつある中で、新たなパラダイムシフトの真っただ中にあり、昨年から今年にかけて、世界中で激変社会を暗示するような種々の驚愕的な出来事が発生している。
具体的には、自国中心主義の顕在化(英国のEU離脱、トランプのアメリカファースト&国内分断、韓国の危機的現実、クアラルンプール国際空港での金正男暗殺など)、現社会への不満極大化(富の一極集中、貧困層の拡大、難民問題など)、シェアリングエコノミー急拡大(ライドシェア、カーシェア、民泊シェア、シェアハウスなど)、AI・ビッグデータ・IoT・クラウド化などの社会導入急拡大(すべての業種に導入浸透)などで、世の中が急激に変化し始めている。 
 パラダイムシフトで激変社会の真っただ中にある今、第2次世界大戦後の何もない焼け野原から事業を始め、試行錯誤や成功・失敗の繰り返しの末に、熊本から世界に発信する企業を築いた起業家・立石一真氏から「起業家精神を学び、自分ナイズする」ことで、次世代経営者に真の起業家精神をバトンタッチしていきたいと思っている。