■地頭力(じあたまりょく) 
 先日のクローズアップ現代で、グローバル経済の中で「変わる企業、変わる人材」が求められて
おり、企業が求める今からの人材は「地頭力」のある人材であるとのことが採り上げられていた。
大企業であっても学校の成績重視では、いい人材を確保することができないことを物語っている。
 
「富士山を動かすにはどうしますか?」、「世界6大陸のうち1つをなくすとしたら
どれですか?」今、こうした、一見、荒唐無稽とも思える問題が大手企業を中心に就職試験で使われ始めているとのこと。"知識だけでは解けない問題"で、学生の本来の思考力や問題解決能力など、知識とは別の頭の良さ=「地頭力(じあたまりょく)」を見極めようとしているのである。背景には、環境変化が激しい現在、"未知の領域""不測の事態に力を発揮できる人材"を企業が求めている事実がある。「地頭力」のある人材発掘に取り組む企業の採用現場をドキュメントし、「地頭力」を重要視する背景や人材育成のあり方についても触れられていた。
 
 日本企業においてはバブルが崩壊した段階で、何もしなくても維持管理に力を入れていれば企業
成長が図れる高度成長期から、過去の延長で仕事をしていると時代の変化についていけずに衰退していく低成長時代にシフトしており、「現状維持は退歩である」の時代に突入し、20年近くが経ち、中国やインドの経済力・企業力が向上していく中で、大企業においても改めて人材パラダイムシフトの実感が迫っているのであろう。
                   
 この番組を見て、自分が考えている人材育成に直結するものを感じた。
 私の言葉でいうと「ないものをつくる力」「独創力」、すなわち「世の中に溢れて
いる情報から、自分自身でフレクシブルに整理・整頓し、それを自分なりに綜合して
考え、ブラッシュアップを図ることで独自の発想を行い、自分が重要と考えている
課題解決を推進していく力」と言えるかもしれない。これに「実践力」が加わると、
私の好きな言葉「自分にとってやりがいのある目標を、前もって設定し、段階を追って実現していく力」と共通するものになる。「実践力」とは「知行合一」を基礎においたもので、繰り返し行っていく中で培われ、レベルアップが図られていくものである。


 人間は無限の可能性を秘めており、それを花開かせることができるのは、
自分自身である。そのためには学生であれば「躾から始まり教育・指導」が
最も重要であるが、社会人にとっては「気付き」が大切である。要は
「気付き」が「セルフマインドアップ」に繋がっている。
 
それに加えて、「智慧を活かす」ことが大切であると考えている。自分だけの発想ではたいしたものでなかったことが、他の人との共通テーマに関するコミュニケーションを通して、素晴らしい発想に生まれ変わっていった
ことを、私は何度も経験しているが、これが智慧なのだと実感している。
 その「気付き」「智慧」を得る場として、少数精鋭による「相互研鑽の場」が絶対必要条件であると考えている。少数精鋭とは「精鋭を少数集める」のではなく、「少数を集めることで精鋭になる」との意味である。

 私が3年前に地域診断士研究会で企業支援人材が育つ場を、2年前に共育塾で
経営人材が育つ場を立上げ、少数精鋭の「相互研鑽の場」をつくり始めているが、地力に乏しい地域においては非常に意味のあることとの確信の下に進めている。
この基礎づくりを、私の大切なライフワークと捉えて推進しているところである。