■時代の変化への対応A

  そのような時代の変化に対し、今からの診断士のあり方を考える際に、先ず原点に立ち返って
 「診断士の強み」が何であるかを考えてみたい。
 @ 経済産業行政施策の有効活用能力が高い
   →診断士の試験科目に中小企業施策があり、診断士は日本の中小企業施策を
   体系的に熟知しており、施策を活用して企業支援の幅を大きく広げることができる。
 A 経営全般への対応力が高い
   →診断士の試験科目が企業経営全般にわたり、それらを広範囲に習得しているため
   診断士は多面的な視点で企業支援の具体展開を行い、課題解決に繋げることができる。
 B 専門家派遣等で企業と接点が持て、コンサル経験も積める
   →独立時に企業との接点づくりは非常に困難である。行政施策の専門家派遣等を通して
   企業との接触機会が大幅に増え、また企業の信用を得る機会も増えることになる。
   そして企業コンサルの機会が増え、診断士の経験の蓄積やスキルの向上も図れる。
   (予算が縮小傾向で残念である)
  上記の「診断士の強み」を活かすことが大切であり、加えて個々の診断士の社会経験に基づく
 知識・経験・スキル・人脈や個性等が大きくものをいう。もちろん診断士になってからの蓄積が、最も
 大切であることは当然である。
 診断士の中には、社会保険労務士や税理士、弁理士等の「職業資格」と併用することで、経営全般への
 対応力を基礎においた職業資格活動を行い、活動の幅を大きく広げ、成功している方々もたくさんいる。
 診断士は「職業資格」ではなく、「能力資格」であるといわれる。表現を変えていえば、診断士は「資格」で
 仕事をするのではなく、「人=人柄・能力に基づく個人の信用」で仕事をしているのかもしれない。
  地方分権、地域資源の活用など「地域の時代」が動き始めた今、地域の診断士の
 活躍の場は広がっていくが、活動のやり方もそれに応じて変えていく必要がある。
 企業内診断士も含めて、地域の診断士の役割として、「施策を現場(企業)に普及・浸透し、
 現場(企業)ニーズを行政にフィードバック・提言する」ことが最も大切であり、それを
 行政サイドも望んでいると確信している。
 熊本で地元発信する診断士も、熊本から九州・全国に発信する診断士もいてもいい。
 専門特化した診断士も、何でも屋の診断士もいてもいい。各自が、診断士の「能力資格」を
 活用して、10人10色の「自分業(例えば横山耕二業)」を創っていき、診断士のステイタス
 アップを図ることが大切ではないだろうか。