■地域診断士の勉強会

 私は熊本を活動拠点として、「熊本・九州でリージョンIM活動を」「九州で新連携支援活動を」「全国でJANBO−SeniorIM活動を」行ってきており、全国的にも非常に珍しい独自な活動を行っていると思っている。
熊本地域の同様な活動を行っている人から見ると、何故私がそのような活動の場を創ることができたのかが不思議なようである。診断士仲間に話を聞くと、多くの若手診断士が私の現在の活動に至るプロセスを知ることに、興味を持っていることが分かり、恥ずかしながら私の脱サラ人生を事例として提供し、各自が「気付きや学び」を得て、それぞれが独自の活動を行うきっかけとするための研究会を開くことで、地域のお役に立てるのではないかと思うようになった。
 また昨年、複数の尊敬する方から、「そろそろ、あなたのあとに続いて活動をしていく人材の育成を、考えていてほしい」旨の話をいただいたことがある。私も多くの方々との「ありがたい縁」を得ることで、多くの刺激を受け学ぶ機会を得て、今の自分があるという実感を持っている。そろそろ受けるだけでなく、提供する立場で動くことも必要ではないかとも思っている。
それに加えて、昨年還暦を迎えたときに考えたことであるが、ライフワークの継続性を築くと共に、次世代のための地域支援人材のネットワークや地域企業のネットワークをつくりたい気持ちも持っている。
忙しくしている今だからこそ、なおさら研究会をスタートする意味があるのではないかとも考えている。
 さらに最近の人材育成に関して、「人材育成=スキル教育、ハウツー教育」のような風潮があり、結果として「社会性や倫理観の欠如」による種々の社会問題が発生している現実がある。本当の意味での社会人教育で、今最も大切なことは「心構え教育」「気付き教育」であり、「共に教えあい・学びあうこと」ではないかと考えている。そのような「場づくり」をしたいと考えていたので、「試行錯誤しながら、メンバー全員による場づくり」にトライしてみることにした。
できれば「各自が頭を使って考える」「肌で感じる」「心で感じる」ことをやりたいと思っている。
 そこで新年度4月より、中小企業診断協会熊本県支部の認可の下で、初めての研究会を立ち上げることとし、その中から、各自がそれぞれ「今からの地域診断士としての活動のあり方」を見出し、やりがいのある人生づくりにチャレンジすることとなった。
研究会の目的としては、
@診断士の資格は社会活動の道具にすぎない。独自社会活動を各自が見出すきっかけとする。
A脱サラの事例に対する質疑応答や意見交換の中から、今後の独自活動のヒントを各自が得る。
B中小企業政策のコア施策を実践事例の中から大局的に勉強する。
C将来の各自活動テーマの研究・抽出のきっかけとし、合わせて会員間の相互連携の場とする。
D地方における診断士活動の今後のあり方を模索し各自活動に活かす。
と5項目を掲げている。
会合の仕組みとしては、
@偶数月に「事例研究(事例提供/質疑応答)」を行い、各自が1ヶ月間検討し奇数月に「成果発表(各自発表/質疑応答)」をおこなう
Aメーリングリストを運用し、常時交流と相互刺激をえることで、独自のネットワークを創り上げていく。
B珍しいゲストを機会があるときに、自由参加での会食懇談や意見交換会を開催する。
の3つを有効に機能させていくことで、メンバーが一緒になって魅力ある場を創って行くことを考えている。

とりあえず3月に「キックオフ・ミーティング」を開き、スタート時の共通認識と、期待を持つ形はできており、今後1年間をかけてメンバーが協力して、「独自の場づくり」を仕上げていきたいと考えているところである。