イチローに思う
 
  私はオリックス時代からイチロー選手のファンである。
 メジャーリーグが始まると、マリナーズ・イチロー選手のプレイの結果を
 毎日インターネットで確認し、一喜一憂している次第である。
  孤高の中で、常に技を極める努力をしている姿勢をすごいことだと感じている。
 彼の発言の中からは、自分を大切にすると同様に、ファンをはじめ
 周りの人々を大切に考えていることを感じることができる。
  私の子供と同年代の青年ではあるが、彼の含蓄のある発言には、
 いつも大いに刺激を受けており、あの若さであれだけの実力と表現力を兼ね備えていることに
 驚くばかりである。 
  彼の現役引退後は、武士道を極めた宮本武蔵の「五輪の書」の現代版を書き、
 我々が読むことができるのでは、とさえつい思ってしまう。

  年末のNHKのテレビでイチローの密着取材のドキュメントが放映されたが、
 特に印象に残った言葉を思い出して書いておきたい。

 安打と打率 : 
    打率を目標にすると上がったり下がったりを気にすることになるが、
    安打を目標にするとプラスしていくだけで、心理的影響を少なくできる。
    200本を目標に上げることにより、それを達成することができれば、
    そこそこの打率も残すことができることになる。

  スーパープレイ : 
    他の選手よりもいろいろ考え、シュミレーションも行う。
    結果として、無駄になることが多くあるが、それをやっているために
    自分で納得いくプレイもできることになる。
    大変なことではあるが、自分はそれをやることが当たり前になっているので、
    大変とは感じないようになっている。
    高い目標を目指して努力を積み重ねることでスーパープレイも生まれるが、
    努力を怠っていると、スーパープレイを実現することは100%できない。

 スランプの定義 : 
    頭で描くことと、体で実行できることが一致しているときが、
    いい状態であり、スランプの定義には2種類あると思う。
    「@頭で描けなく、体で実行できない状態」と
    「A頭で描くことはできるが、体で実行する際にズレが発生する状態」があると思う。
    @の状態を自分はスランプであると思っており、
    日本で200本安打を達成した翌年から3年間が@の状態であった。
    (首位打者は取ってはいたが)アメリカに行ってからは、
    最初の練習時を除いてAの状態になったことはあっても、@の状態になったことはない。


    なお最近では、読売新聞で1月18日〜27日の期間に「イチローすべてを語る」が掲載された
      @3年目の挑戦
      A究極の打撃
      B大技と小技
      C守備の真髄
      D快足の背景
    E精神力
    Fライバル
    G日常生活
    Hトレーニング
    I野球の魅力
        の10回連載で幅広い側面からのインタビュー内容が書かれていて
        いずれも興味のあるものであった。