■日本インターネット業界の近況




ここのところ、仕事に追いまくられてコラムを書く時間がなかなか取れない状況にある。いつも自分で考えたことを発信するように心がけているが、仕事が落ち着くまでは、冊子や書籍からの引用もしながら、極力隔週での発信をしていきたいと考えている。

日経ビジネスの最新号(2006.2.6)に、強さの研究「ヤフージャパン ネット最強の凄み」が掲載されているが、ヤフージャパンの凄さを改めて認識すると共に、ここ6年の変化の大きさを知ったので、是非紹介しておきたい。
 2000年3月期の売上高63億円、経常利益20億円であったのが、2006年3月期の予測
 では売上高1780億円、経常利益790億円と、この6年間だけで売上高で約20倍、経常利
 益で約40倍と凄い伸びを示していることだけでも驚かされた。
 日本人のネット利用の約2割をヤフーが占めてダントツとなっており、2位の楽天市場はその
 約1/7であり、検索エンジンでは46%で2位のグーグルが25%という実情にある。

 一人勝ちになっている要因として、@「検索サービスはヤフー」というブランド確立を早い段階
 から行ったこと、それにA「総合デパート化」を早くから進めたことがあるとのことがあるようで
 ある。
 ヤフーは検索とホームページの分類で事業をスタートしたが、1996年にはニュースや
 天気予報の提供を始め、次いで掲示板、オークション、ショッピング、電子メールなどへサー
 ビスの数を増やしていった。その後もクレジットカード・消費者金融、証券仲介、TVバンクも始
 めており、今後はセブンイレブンジャパンとの共同事業や、銀行業、インターネット電話など
 にもサービスを広げていく方向にある。

 今からは個人情報を登録・ログインして使うヤフーIDが大きな財産であり、ヤフーIDを使って
 のパーソナライズ化サービスなども検討が始まっているようである。「個人がどういうサービス
 や検索を使ったかというデータに基づき、ヤフーのトップページを個人ごとに変えたり、同じ
 言葉で検索しても結果を違う順番で見せるようになっていくかもしれない」との井上社長の
 コメントも掲載されていた。
 インターネットのワンツーワンサービスが始まるのも、そう遠くない未来であるのかもしれないし
 また、ヤフーが独占禁止法のターゲットにもなり得る状況も近づいてきていることにもなるので
 あろう。