■新連携九州モデルのコンセプト

  中小企業新事業活動促進法が4月に施行され、新連携の事務局活動がスタートしたが、それに際して
 九州経済産業局においては昨年12月から民間人メンバーを3人入れて準備を始めた。他の経済局では
 今年の2月とか3月になってから準備を始めているようで、九州経済局は最も早く力を入れて準備した
 経済局であると思っている。その準備会合の民間人メンバーの3人とは、星崎統括PM、杉岡CA、
 それに私である。
 初回会合のときに、最も感じたのが星崎統括PMのリーダーシップの強さであり、今までにない体制づくり
 の可能性の予感であった。
  
  星崎統括PMの強力なリーダーシップの下に、九州経済産業局、中小企業基盤整備
 機構九州支部、戦略会議事務局が一体となった動きをつくるべく、会合を重ねる中で、
 当初打ち出されたものは以下のとおりであり、内部体制を固めていく上でのコンセプトで
 あったと考えている。
 ★中小企業に「コアコンピタンス」「志」「地域特性」を持たせる支援を行う
 @ ポジティブ思考 :前向きに考えよう!
 A スピード重視 :先ずやってみよう!
 B 過ちがあれば即修正 :よくすることが大切!

  その後に新法が成立し、本格的な事務局体制もできあがっていく中で、コンセプトに関しても、企業向けを
 意識した形で若干の修正が加えられて、以下のようになっていった。
 ★中小企業経営者に、「コアコンピタンス」「志」「地域特性」を持っていただくコミットメントを行う。
 @ ポジティブ・レセプション :企業を元気づける顧客志向の対応を
 A クウィック・リアクション :途中経過も含めた10日以内の返答を
 B オープン・ポリシー :率直な情報交流・信頼関係構築を
 このような活動コンセプトをベースにした新連携活動は、行政サイドにとっても企業サイドにとっても、
 今までにない新たな企業支援のあり方を具現化した形になっていると考えている。

  6月以降になると体制も整い、星崎統括PM(非常勤)、中園PM(常勤)、西村PM(常勤)、
 水上PM(非常勤)、横山の5人でのPM体制に加えて、杉岡CA(非常勤)、廣田CA(非常勤)
 及び、スタッフとしての福島副管理役、渡辺氏、福澤事務員の総勢10名の体制となり、
 ベクトルの合った体制で活動が進んできている。星崎統括PMの言葉で言うと、「九州経済
 産業局、中小企業基盤整備機構九州支部、戦略会議事務局のベクトルの一致」したところが、
 九州モデルの特徴である。
  
  そのほかの九州モデルの特徴もあわせて述べておく。
 先ず、CA(チーフアドバイザー)2名の存在がある。九経連の予算で、杉岡CAが、商工会議所連合会の
 予算で廣田CAが事務局に参画しており、戦略会議と事務局の繋がりを強くしている面がある。それから
 新連携支援アドバイザーの中に、企業経営者及びOBという、経営現場実践経験者を多く盛り込むことを
 意図していることもある。

 「新連携の企業発掘」→「新連携体構築の支援」→「新連携事業化の支援」のプロセス支援を行う「育て
 上げ方の支援体制」というのも特徴であり、もし新連携支援にミスマッチな企業相談があった場合でも、
 誠心誠意の対応を心がけ、関係機関や企業の紹介なども行い、企業に「新連携事務局に相談に来て
 よかった」と思ってもらえるような対応を心がけていることもある。
 また企業発掘に繋がる地域企業とのミニ討論会を開催していることも大きな特徴であるといえる。ミニ討
 論会については、別途一つの主題として述べることとする。

 以上のような活動継続の結果として、相談企業数に関してはどこよりも多い実態があるようである。