■新連携の事務局活動
 
  新連携支援活動について九州経済産業局の場合は、昨年12月から民間人3名を加えて具体化検討を
 始めたが、私もその一員として参加させていただいた。そういう意味で新連携九州モデルの構築に当たっ
 ては、数少ない当初からの当事者であるという自負も持っている。3ヵ月半の準備をしてスタートし、九州
 モデルと称するように独自に思想面まで構築しようと努力しており、経済産業局・中小企業基盤整備機構・
 戦略会議事務局がベクトルを一致させながら動いているところは、九州経済産業局だけのようである。 
 中小企業新事業活動促進法が成立して半年が経過し、新連携認定企業も1次で8社、2次で7社が認定
 され、九州での新連携支援活動もなんとか軌道に乗りつつあるように感じている。
 そこで以下に、ここ1年の活動に関することを、何回かに分けて紹介することとした。

  その1:星崎さんとの出会い

  今回の活動を通して、私にとってもっとも印象の強いこととして、統括プロジェクトマネージャ
 ーの星崎さんとの出会いがある。やはり世の中には、すごい人がいるということを、今までに
 なく刺激的に実感した。具体的に言うと、
 @ しっかりとしたコンセプトメーキングができる人である。今回の仕組みづくりのコンセプトに
 ついては、星崎さんの強いリーダーシップの基に、出来上がっていったわけである。私の意見
 も取り上げていただいたのか、たまたま同じ志向であったのかは定かではないが、国レベル
 でスケールの差はあるものの、私が県支援センターづくりを行った際に描いたものと、
 思想的には共通点が多く心底から共感している。


 A ものすごく幅広い分野・業界に関する知識・経験・感性を踏まえた上での企業に対する助言は驚くばかり
 である。企業経営者そのものが「目からうろこ」のような助言をもらうことが多くあり、「どうせ行政支援」と
 軽く見て会話を始めた経営者が、星崎さんとのやり取りを通して、一気に尊敬の念に反転していくケースが
 頻発することにもなる。どのような業界の企業であろうが、業界に精通した具体的助言を行われる星崎さん
 の知識・経験・スキルの幅の広さには、ただ驚くばかりである。
 B 現場志向の商社出身の方であり、マーケッティング的視点と現場的視点の両方からビジネ
 スを見ることのできる、非常に貴重な存在であると考えている。それに加えて、過去の経歴・
 実績を踏まえての高いステイタスを有しておられ、行政にも経済界にも大きな影響力を有して
 おられることも強く感じている。また星崎さんの著書「日本再生のシナリオ」(日経事業出版セン
 ター)も読ませていただいたが、国家のあり方から中小企業支援のあり方まで、綜合的な
 ものの見方をされる方でもある。仮説・検証的な発想をいろんな局面でされており、先見性の
 豊かさも感じられる。
 強烈な刺激をいただける方に出会うことができたので、この縁を大切にして、ものの考え方から
 具体的な企業支援に関しても、いろいろ勉強をさせていただきたいと考えている。
 最後に星崎さんのプロフィールを書いておく。
 昭和14年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。37年4月三井物産(株)入社。情報産業
 分野を中心に、取締役情報産業本部情報通信事業部長等を歴任し、取締役九州支社長、
 顧問を経て、平成13年7月よりイーバンク銀行(株)代表取締役副社長。
 元九州大学先端技術共同開発センター客員教授。