■A I 革命① 序章
少し前には、デジタル革命に関して「ウェブ3.0」「メタバース」「生成AI」が次世代の主流になっていく話がありました。今年になってからは、それらの技術の採り上げ方に異変が生じています。
「ウェブ3.0」については、メリットとして「仲介者排除」「データ変更&操作不可」「ノンストップオペレーション」がありますが、デメリットとして現段階では「処理速度が遅い」「複雑な技術」「使い勝手が悪い」「ジャンクデータの大量発生」「高コスト」などがあるようです。ブロックチェーン技術の大幅改善がされないと、なかなか様々の分野への応用は難しいような気がします。
「メタバース」についてですが、2月16日のフィナンシャルタイムスに、当誌コラムニストがタイトル「メタバースはいずこへ」を投稿しています。
メタバースのリアリティラボ事業部門(ヘッドセット製造販売)が昨年度137億ドル(1.8兆円)の営業損失を出したようです。メタの株主はメタバースへの関心を失っていることから、ザッカーバーグCEOは「メタバースは我々の事業の大部分ではない」(以前は将来メタバース事業に移行すると公言)と発言したり、EU域内での1万人採用もうやむやにしているようです。
またマイクロソフトも「インダストリアル・メタバース・チーム」を立上げ4カ月で解散し1000人解雇したとのこと。
コラムニストは「メタバースは本当の意味で始まっていない。と同時に既に終わってしまっていたのである。」と結んでいます。
「生成AI」ついでは、オープンAI社の「チャットGPT」が、今まさに脚光を浴びています。
日経新聞をみても「生成AI」に関する記事が急増しており、昨年11月に公開された「チャットGPT」に始まり、マイクロソフトのGPT-4搭載「新しいBing」、グーグルの高度のチャットボット搭載「Bard」などの対話AI型が動き始めています。マイクロソフトでは「エクセル」「パワーポイント」などにも「チャットGPT」を組み込む準備を加速させているようです。応用範囲は広域にわたっており、まさにAI革命の様相を呈している感じです。

一方で、米国の非営利団体が3月22日付で「開発競争が過熱しており、制御不能なレースに陥っている。  巨大なAI実験を一時停止せよ」との書簡を公開して賛同者を募り始め、既にイーロンマスクやウォズニアック(アップル創業者)などを含めた1100人以上(29日段階)が「AI開発の一時停止」に署名しているようです。
今、私が強く興味を持っているのが、チャットGPTの動向ですが、各国や企業の動向が気になるところです。