■ターニングポイント その4
 −仕事への取り組み方の見直し−
 
  地域中小企業支援業の理想的な活動のあり方は、時間配分として「収入源の仕事:社会貢献活動:自己
 研鑽=1:1:1」ではないかと思っているが、バランスの取れた活動は、なかなか難しいものである。
 収入面においては「収入源の仕事」をメインとし、「社会貢献活動」からもある程度の金銭的収入を得られる
 形が望ましいのかもしれない。「自己研鑽」は支出となるわけであり、継続的な地域中小企業支援活動を
 行っていくには、それを可能とする金銭的収入が必要となる。ダイナミックな活動を行おうとすれば、なお
 さらである。それぞれについて、少し具体的に述べておきたい。
  
  先ずは「収入源の仕事」についてから述べる。
 自分の納得できる地域中小企業支援活動を行うのに最も理想的な姿は、ボラン
 ティア活動で行うことかもしれない。
 しかし、そのような立場で活動できる人はごくまれであり、私自身は家族の生活の維持
 や活動拠点である事務所を変化・成長・発展させていくために、ちゃんとした収入源は
 持っておく必要がある。
 そして活動の幅を広げていくためには、スタッフの充実も必要となってくる。
 従って収入に関していうと、「公的機関から、民間企業から、自身の別事業から」など、
 幅広い収入源を持つことが現実的には必要であろう。このことを意識して、現在いくつ
 かの方向を模索中ではあるが、方向付けしてステップアップしていきたいと考えて
 いる。そしてライフワークを絞ると同時に、活動の幅をもっと広げていきたい。
  
  次に「社会貢献活動」についてであるが、地域経済活性化や人材活性化に繋がる社会貢献活動、
 言葉を変えると「地域の創業や企業の経営革新を支援していくこと」や「将来を担う自立的人材育成や
 若者が定着するような地域インフラの整備」なども合わせてやっていくことが、我々の年代の社会的使命
 ではないかと考えている。幸いなことに、我々の年代は恵まれた時代にサラリーマン活動を行うことができ
 たので、自分の子供たちの将来づくりに、少しでもお役に立てる活動を行うことは、我々の義務ではないか
 と考えている。
  
  最後に「自己研鑽」についてであるが、常日頃から企業にも話している「社会の変化への対応」は、我々
 の仕事にとっても最も重要なことである。自己研鑽は必要不可欠条件である。
 変化の激しい今の世の中で、地域中小企業支援業として通用する能力を維持していくには、勉強し続ける
 ことが必要不可欠条件である。具体的にいうと、仕事を行っていく中で「もう少し突っ込んで理解しておきた
 いこと」「日頃考えていることを整理しておきたいこと」「自分が新たに知りたいこと」などについて、
 じっくり時間をかけて勉強することの必要性を感じている。
  6年前に県中小企業支援センターのPMになってから、公的活動が大幅に増加してきて
 おり、大きな人生の転機になると共に、仕事にやりがいも強く感じている。やむを得ない
 ことではあるが、公的活動に力が入るに従い、残念ながら収入的にはダウンする傾向と
 なってしまっている。一方で時間的側面からいうと、ありがたいことに年次を追うごとに
 忙しくなってきており、結果的に休日も仕事をやることになりがちである。そうなると、
 まとまった勉強の時間がますます取れなくなってしまう。質のいい仕事をしようとすれば
 するほど、時間は足りなくなっていく。
  当初は土曜日を仕事の予備日とするようなスケジュールでやっているつもりが、いつの
 間にか土曜日は稼働日に組み込むようになり、日曜日が予備日になるようなパターンと
 なってしまっている。「もっと突っ込んで知りたいこと」や「時間をかけて考え方を整理した
 いこと」などがなかなかできなくなっていることに危機感すら感じることもある。
  現状を客観的にみると、そろそろ充電期間を迎えていることともに、「肩の力を抜いた」
 仕事のやり方、「緩急をつけた」仕事のやり方をすることが必要なのかもしれない。
 「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」という言葉を思い起こし、何となく反省している。