3類型から新連携へ

  平成11年秋の国会(小渕首相の最後の国会)で、中小企業基本法の抜本改正が行われ、中小企業
 施策の基本指針が「弱者救済」から「次世代を担う、やる気のある、多様な中小企業支援」に施策の
 シフトが行われた。それに伴い、平成12年春に「中小企業指導法」が「中小企業支援法」に変わり、行政
 のスタンスも「企業指導」から「企業支援」に切り替えて、その実施体制として新たに「3類型の支援セン
 ター」がスタートした。3類型とは「国・県・地域」がそれぞれ連携した支援体制のことであるが、その要に
 あるのは都道府県支援センターである。熊本県では平成12年に中小企業支援の中核機関である「熊本
 県中小企業支援センター」が発足し、民間出身の私がプロジェクトマネージャーの委嘱を受け、サブマネー
 ジャー2人と共に、ゼロからの支援センター体制立ち上げを行った。丁度、今から5年前のことである。
 
  その流れを踏まえて、今年4月に中小企業支援に関する5年ぶりの大きな新法が成立し、施行されること
 となった。今回の新法は、「中小企業創造活動促進法」「新事業創出促進法」「経営革新支援法」の3つの
 法律を整理統合することで、使いやすさ分かりやすさを追求し、「創業・経営革新」に加え、新たに「新連携」
 に対する支援を打ち出した「中小企業新事業活動促進法」である。(新法は、4月6日に参議院を通過し
 法制化され、そして4月13日に施行されている。)
新連携とは、「複数の事業者が異なる事業分野で蓄積した経営資源(技術・ノウハウなど)を持ち合い、それらが融合・摺り合わせをすることで、はじめて可能となる事業活動を行うことで、新たな需要の開拓を行う企業グループのこと」と定義されている。
支援体制のスキーム概要は、地域において
中小企業の「創業・経営革新・新連携」を
強力に支援するため「九州地域新事業創出
戦略会議」を設置し、地域の総力を結集した
支援体制を整備することで、地域の活性化を支援する。また中小企業者の利便性を図る
ために、戦略会議事務局を中小企業基盤整備機構九州支部に設置し、民間出身のプロジェクトマネージャーを置き、企業サポート体制の整備を行う。
 
  この戦略会議事務局のプロジェクトマネージャー(非常勤)として、私も加わることとなった。
 民間から多様な人材5名(常勤2名、非常勤3名)が加わっている。
  つい先日、東京で沖縄を含めての全国9支部のプロジェクトマネージャーや機構責任者を
 集めての会議が行われたが、望月中小企業庁長官からも中小企業施策における当事業の
 重要性に関する思いのこもった話をお聞かせいただき、心を新たにしているところである。