■プロジェクトマネジャー卒業にあたって
 
 第7回:中小企業支援センターのありたい姿

  スタートしたときから一貫して考えている「中小企業支援センターのありたい姿」について書いておく。

  熊本県中小企業支援センターのあり方として、県経営指導室及び工業振興課と協議して、下記の
 方針を打ち出した。『支援センター事業で「中小企業の経営支援活動そのものを推進」し、プラットフォ
 ーム事業で「中小企業支援体制のインフラ整備」を行う。この2事業を融合させることで「くまもとプラット
 フォーム」を構築する。』 この基本的な考え方については、平成12年後半に全国に先がけて熊本県が
 最初に打ち出したことになる。
 
  中小企業支援センターを言葉で表現すると『新事業・創業や
 経営革新を意欲的に目指す方々(ユーザー)に対しPM/SM
 (民間人)による接触調査を効果的に活用することにより、
 的確な課題整理・アドバイスを行うと共に、専門家派遣や他機
 関の紹介等の『総合的且つ継続的』なフィードバック型の支援
 ・育成を積極的に推進し、事業可能性の高い企業に対しては
 更なる支援強化を行うところ』であるが、これはスタート時に
 メンバー間で話し合って作った言葉であり、今後も使われて
 いくことを望んでいる。

   活動コンセプトとして、
 *ユーザー オリエンテッド:支援センター利用者や連携
   機関・専門家から評価していただける活動を創っていこう!
 *スパイラルアップ:今までにない機能を試行錯誤の中で
   創っていき、環境・時間変化に即応して、変化・成長・発展
   していこう!
 *コラボレーション:単独活動での力は小さい。文殊の智慧
   を活かして、多面的・総合的ネットワークを創っていこう!

  「窓口は広く、投資効果を大きく、絞り込むたびに支援レベルを上げて、成功事例がでてくる」という
  ような好循環サイクルを機能させていきたいと、イメージ図も作ったりしている。

 
 *
ワンストップ・サービス体制を引くには
:人材の育成
   (窓口相談員の資格要件が育成目標)、支援ツールの
   準備(現場が使いやすいツールの準備、ツールが揃えば
   資格要件もゆるくできる)、そしてユーザーが訪問しや
   すいインフラの整備が必要である。
 ソフトな経営資源の支援を図るためには:財団職員の
    レベルアップと意識改革、専門家のレベルアップと意識
   改革、企業のレベルアップと意識改革(即効薬ではない
   ソフト支援の大切さの認識)が望まれることになる。
 *民間人材を有効に活用するには:民間人材、特にマネジ
   ャー経験者の特性を理解すること。民間人材でしかでき
   ないことを主にさせるようにすることが大切で、職員で
   できることを主にさせることは愚の骨頂である。
 *支援機関の連携を推進するためには:連携の前提条件
   として「先ず隗より始めよ」である。その上で「機関の存在
   価値があること」「コミュニケートができること」「共通目的が
   あること」である。