最近思うこと⑤

デジタル技術の進化(新社会秩序の遅れ)

IT機器の短期間での進化に加えて、デジタル革命の5要素として「SNS」「クラウド」「ビッグデータ」「IoT」「AI」技術が綜合的に進化して、従来の社会そのものまで激変させる事態に我々は遭遇している。
ビジネスを基軸に考えてみただけで、全産業分野のビジネスモデル革新・融合を引き起こしつつあり、全ての仕組み替えを検討し直す時期に来ているように思われる。
SNSの高速化・高信頼性を結節点として、「ディープラーニングによるAI技術の進化、各種センシングによるIoT技術の進化、ハードウェアの小型化・高度精度化によるクラウドやビッグデータの大容量対応技術」の融合化が進み、今まで想像できなかった技術の実現が進化し続けている。


下記の如く、多様なビジネス業界への影響は止まることを知らず、多くの業界の破壊的現象が進行
しており、新たな持続可能な仕組み(ルール)づくりの過渡期に入ったことを実感している。
*フィンテック(金融)業界 :金融・証券・保険業界の自由化による業界破壊の推進
例)融資、決済、保険、資産管理・運用、クラウドファンディング、スマホ決済
*シェアリング・エコノミー :企業・企業、企業・顧客、顧客・顧客を繋ぐ新たな仕組み
例)車:Uber、宿泊:Airbnb、フリマ:メルカリ、クラウドワークス、ソーシャルファンド
*製造業のサービス産業化 :モノとサービスを融合し新たな産業づくり
例)コマツ(コムトラックス)、トヨタとソフトバンク提携(モネテクノロジーズ:モネット)
*ECと店舗の融合 :新たな流通業界の再構築化で新たな産業づくり
例)アマゾンはEC+店舗展開へ、ウォルマート(世界最大売上企業)店舗+ECへ
*世界的デジタル経済圏の構築 :プラットフォーム企業がデータ活用で独り勝ちへ
例)アマゾン経済圏などのGAFA(米国:グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)、アリババ経済圏などのBAT(中国:バイドゥ、アリババ、テンセント)、日本では楽天経済圏など
*自動車産業 :自動車業界の業種の枠を超えた新たな産業づくりへ
例)CASE(コネクト、自動運転、シェアリング、電動化)、空飛ぶ車、ドローン
*ロボット :実用ロボットの多様な業界展開へ
例)掃除ロボット、サービスロボット(ペッパー)、家事ロボット、介護ロボット、手術ロボット(ダヴィンチ)、危険作業ロボット、軍事ロボットなどなど
*医療産業 :今まで聖域だった成長業界で、生産性向上、品質向上などが開始例)画像診断支援、カルテ作成支援、ゲノム解析、医薬開発支援
*エンターテインメント :AI活用により人知を超えた世界が実現
例)ゲーム(VR:仮想現実、AR:拡張現実、MR:複合現実)、囲碁将棋、Eスポーツ


これらの技術進化は全ての分野に深く浸透し始めており、従来のルールでは想定されなかった弊害も現実化しているように思う。
例えばGAFAなどについては、経済大国に匹敵するような時価総額規模になっており、各国の多くの中小企業だけではなく大企業まで倒産に追い込まれている。グローバル企業になっていることにより、どの国からの収益か、どの国に納税するかも不明確になっており、税制優遇の高い国に納税(企業としては節税手段)する企業も増えているようである。
また顧客データを活用して他社より優位に立ちビジネスを進めることの問題(独り勝ち)、無料ユーザーの個人情報を勝手に活用する問題(個人情報保護)、脅威になる可能性のあるベンチャー企業の買収による資本主義を否定する問題など、多くの問題を今後は解決していく必要がある。
このままの状況で推移していくと、結果的にはグローバル社会の破壊に繋がっていくのではないかと危惧している。