■資本主義の未来① 国と企業と社会経済の関係

 昨年10月頃にNHKスペシャルで「マネーワールド」が4週シリーズ放映され、資本主義経済の始まりから現在に至るまでを分かりやすく纏めて放映され、非常に勉強になるとともに、自分なりに整理し直して共育塾生にも伝えるようにすることとした。
そして下記の5章構成に作り上げたが、多くの他の調査情報と組み合わせることで、それなりの横山オリジナル・ストーリーを創り上げることができたと考えている。
1. 国と企業と社会経済の関係
2. 国内経済からグローバル経済へ
3. 国と企業の関係の変質
4. 資本主義250年の歴史
5. 資本主義の未来


今回のコラムでは「国と企業と社会経済の関係」から話を進めることとする。
先ず、財政・財政政策や金融・金融政策という言葉の意味を確認した。
*財政とは :国または地方公共団体などが行政活動や公共政策の遂行のために行う,資金の調達・管理・支出などの経済活動。総体収入の取得のための権力作用と、取得した財・役務の管理・経営のための管理作用とがある。
*財政政策とは :主に国の財政の歳入や歳出を通じて総需要を管理し、国の経済に影響を及ぼす政策のこと。金融政策と並ぶ経済政策の柱である。国の財政政策は下記の3つの機能がある。
*金融とは :金銭の融通のことで余裕資金を資金需要とマッチングし利子・配当を得る。借り手と貸し手の間で行われる貨幣の信用取引。
*金融政策とは :一国の経済の安定と成長を目的に中央銀行が行う金融調整。通貨量を適正な水準に維持することが中央銀行の重大な使命となるが,このため中央銀行が行使する金融政策としては,(1) 金利,公定歩合政策,(2) 公開市場操作,(3) 準備預金制度の活用などがある。


上記内容を頭において、成果が出ていないと言われているアベノミクス「3本の矢」を調べてみた。
*第1の矢「大胆な金融政策」 :バブル崩壊以降の20年間における不況の最大要因をデフレと捉え、デフレ脱却を目指すべくインフレターゲットの導入を決定。そのために、これまで独立性が重視されてきた日銀に対して、日銀法の改正も視野に入れた上で2%の物価目標を掲げるよう働きかけ、その目標が達成されるまでは無制限の量的緩和策をとることを決定した。
*第2の矢「機動的な財政政策」 :政府は2013年1月15日、過去2番目の規模となる13兆1千億円の補正予算案を閣議決定した。内訳は、東日本大震災の復興費を含む”復興・防災対策”に3兆8千億円、通学路の安全対策など”暮らしの安全・地域活性化”に3兆1千億円、さらに再生医療の実用化支援など”成長による富の創出”に3兆1千億円となっている。
*第3の矢「民間投資を喚起する成長戦略」
 :産業競争力会議において7つのテーマ別会合を開き、2013年6月をめどに具体案をまとめるとした。7つのテーマは以下の通り (1.産業の新陳代謝の促進 2.人材力強化・雇用制度改革 3.立地競争力の強化 4.クリーン・経済的なエネルギー需給実現 5.健康長寿社会の実現 6.農業輸出拡大・競争力強化 7.科学技術イノベーション・ITの強化)

専門知識があるわけではないが、何となく高度成長期の経済論理に基づく施策になっているように、改めた感じた次第である。第4の矢として「財政健全化」「行政データのオープンデータ化」「東京五輪」などと、都度都度、話が起こり一貫性のないつけ刃の話のように感じてしまう。国と企業の関係の原点は、企業が雇用者に賃金を支払うとともに税金を納め、雇用者も税金を納め、それらの税金を活用して財政政策や金融政策を通して資源の再配分を行う仕組みになっている。加えて国は企業活動を規制と管理を行っている。

しかし時代の大きな変化が起こっている状況下で、「国と企業と社会経済の関係」その仕組みも抜本的見直しが迫られるタイミングが来ているようである。

次回は「国内経済からグローバル経済へ」について話を進めていく。