■プロジェクトマネジャー卒業にあたって

 第3回:支援センターのしくみづくり
  
  平成12年2月25日に福島熊本県知事が急逝されたことで、新規事業
 である県中小企業支援センター立上は、4月から6月にずれ込んでスタ
 ートすることとなった。私自身にとっては、構想や計画を立てる上での
 時間を取ることができ、丁度よかったと思っている。
  県支援センターは種々の変遷を経て(財)熊本テクノポリス財団
 (現在の「くまもとテクノ産業財団」)に設置されることになったようである。
 支援センター用に電応研の中の1室を準備してもらい、当初は九州NEC
 のOBである稼サブマネジャーと女子事務員の3人でのスタートであった。
 その後に住友商事OBである山田サブマネジャーも合流して体制づくりが
 始まった。

  支援センター立上に際しては部屋があるだけで、全くゼロからの
 スタートであり、中小企業支援計画の理解から始め、中小企業施策の
 変化の理解に基づき、
  「ワンストップサービス体制を引くには」
  「ソフトな経営資源の支援を図るためには」
  「支援機関の連携を推進するには」
  「民間人材を有効に活用するには」に関して3人での話し合いを行い、
 頑張っている企業からの「企業支援ニーズを把握分析」した上で、
 「活動コンセプトづくり」、「支援センター活動の定義」「活動のしくみづくり」
 「業務フローの作成」「帳票類の整備」と進めていった。


      ※中小企業庁資料より
  
  我々民間人3人だけで帳票類も含めてのしくみづくりを
 行っていったが、「ないものを創る」という作業は非常にやり
 がいもあり、また面白い経験であった。
  またスタート段階では、まだ県レベルに落とした中小企業
 支援計画がなく、ガイドラインとしての国の中小企業支援
 計画を熟読することで国の中小企業施策の抜本改革の
 方向付けを理解することができた。結果的に、県のフィル
 ターがかからない形で、国の方向付けに忠実に沿った
 しくみを実現しようとしたことは、全国でも珍しいことだった
 のかもしれない。
  現在の支援センター活動は、2年目に合流した
 御手洗サブマネジャーも含めて、我々の作った仕組みで
 「手づくりのシステム化」がされて、現在も動いているが、
 今回行われた財団の大幅な組織変更により、さらに私が
 推進したくてできなかった一元化が今から進んでいくことに
 なるであろう。