■ジャネーの法則

  早いもので、今年も年の瀬を迎えている。
あっという間に1年が過ぎ去った感じであり、時間がどれだけあっても足りないというのが私の本音である。

最近、「ジャネーの法則」を共育塾8期生定期塾の雑談の中で、初めて聞いた。
「年齢を重ねるほど、1年が過ぎる速さが増す」と感じる原因を説明するための考え方に、「ジャネーの法則」と呼ばれるものがある。
ウェブで調べてみると、「ジャネーの法則」は、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則とのこと。
主観的に記憶される年月の長さは、年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を、心理学的に説明したものである。
簡単に言えば、生涯のある時期における時間の心理的長さは年齢に反比例する。
50歳の人間にとって1年の長さは、人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、5歳の人間の1日が50歳の人間の10日に当たるということになる。

また、「新鮮な経験」が多いほど、時間の経過は長く感じるという考え方もある。
子供の頃は、見るもの聞くもの未経験のことが多く、その分たくさんの出来事があった(=時間が長い)と感じる。一方、大人になると、「経験」によって処理できることが多くなり、その分、新鮮さや強い印象が薄くなる。だから、出来事の数が少ない(=時間が短い)と感じる。
ジャネーの法則は単純な年数の問題ではなく、「経験の積み重ね」が増えたことと、「経験をベースに行動する」ことが増えた(=新しいな経験が少ない)ことが関係しているというわけである。



 別の観点からいうと、「時間が長く感じる」あるいは「時間が短く感じる」例は、下記の2パターンがあると考えておいたほうがいい。
※時間が短く感じる例
 パターンA: 集中して(仕事がはかどって)時間が短く感じる

        好きなことをやっていると、いつの間にか「こんな時間!」
 パターンB: ダラダラしていたら、何もしないうちに時間が過ぎた
        緊張感のない定例業務的な付き合い残業などで・・・
※時間が長く感じる例
 パターンA: 仕事がテキパキと進み、思った以上に多くのことができる
        たったこれだけの時間で、こんなに多くの仕事ができた!
 パターンB: 「やることないし、早く時間が過ぎないかな・・・」と思う
        嫌で嫌で仕方ない仕事をしていると、「まだ時間が来ない」

結局、「長く感じる」か「短く感じる」かよりも、「中身を充実させる」ことが大事というのが結論かもしれない。
自分自身を振り返ったら、どちらかというとパターンAのように感じている。
あなたはどちらのパターン?