日本が世界平和に貢献する@ 〜はじめに〜
   
  最近、中国をはじめ東アジアの経済成長が著しい中で、欧米や日本経済が落ち込んできている
 こともあり、バブル崩壊以降の日本人がますます自信を無くしているように感じる。バーチャルマネーが
 膨張しすぎたために、国際金融情勢もコントロールができなくなってしまっており、加えてソーシャルネット
 ワークの普及浸透で、誰でもが繋がることができるようになるとともに、膨大な情報氾濫が蔓延しており、
 情報もコントロールできなくなっている。
   また世界のいたるところで、国益や民族・宗教を優先した争いが発生しており、日本
 でも中国や韓国との間の領土問題でぎくしゃくした関係になっている。
 先が見えにくい社会になってきており、「不信と不安」が渦巻き始めている今、「世界が
 破滅に向かって動く」か「世界が共存共栄に向かてって動く」かの瀬戸際にあるのでは
 ないかと感じざるを得ない。
 今からますます大切になっていく国際金融も多様な情報も、誰もコントロールできなく
 なってきており、地球規模での新たな仕組みづくりが必要になってきているように感じる。
   そういう中で、大多数の人々は「世界が共存共栄に向かてって動く」ことを望んでいるはずである。
 そして私は、世界的に求められている「平和な社会」「幸せな社会」「ホッとできる社会」をつくっていくには、
 「日本社会の原点」に見習うことが多くあるのではないかと思っている。 
 その兆しが、国際社会での日本再評価の様々な事象の中に現れていると感じているので、これらに関して
 シリーズで触れていきたい。


   私は、自分をエンカレッジする意味も含めて、「日本人に誇りを持とう」とか「日本が今から
 の世界平和に貢献」のようなコラムを書こうと思い、全体の流れを考え始めた時に、何よりも
 トップに持ってくる話題を、呉善花さんの著書「日本人の嫌いな日本人へ」から始めようと考
 えた(1998年9月出版)。
 この本の解説欄に拓殖大学の井尻先生が、「日本人および日本文化は素晴らしい理解者
 を得た。おそらく10年に1人出るか出ないか、あるいはもっと間遠かもしれないほどの
 理解者を得た。その名は呉善花さん。」と書いてあったが、全く同感である。この本に書かれ
 ている内容があまりにも広く深いこともあり、日本人の素晴らしさをいろんな観点から表現
 した内容を、コラムの中でうまく紹介するのも難しい面がある。
 日本人では絶対気付きえない事柄を、具体事例を紹介しながら解説や論理的説明をして
 くれる呉善花さんに興味を持っていただき、彼女の本を一読されることをお薦めする次第で
 ある。
  今回、改めて呉善花さんのことをウェブで調べてみると、「日本の曖昧力〜融合する
 文化が世界を動かす〜」という本が2009年5月に出ており、呉善花さんも私が思った
 ようなことを、呉善花さんも思っているのだと分かり、励まされた次第である。私もまだ
 読んでいないので、是非、読んでみたいと思っている。
 この本の解説文のところに書いてあった文を、以下に紹介しておく。
 
  日本人は「物事をはっきり言わない」「自主性がない」などと非難されることが多い。だが韓国出身の比較
 文化学者である著者はいう。むしろ曖昧だからこそ、日本は世界有数の安全で豊かな国になれたのだ。
 これからは世界全体に、調和がとれた人間関係、環境への順応性を生み出す「曖昧力」が求められる時代
 になるだろう。では、日本人の曖昧さはなぜ生まれたのか?微妙な歪みを愛する美意識の源泉とは?
 日本庭園の世界観や、旅好きの国民性の由来などにも迫る。拓殖大学の超人気講義を紙上再現。
  もう一つ、これも私も今から読んでみたいと思っている最新版書籍『なぜ世界の人々は
 「日本の心」に惹かれるのか』(2012年8月出版)を紹介しておく。
 解説文
 百数十年前の西洋人が外から見た日本。
 そして、滞日歴29年の著者が現在見ている日本。
 その両方を往復しながら、わが国の「美」の本質に迫る。
 1 外側からの日本(夢のような国;天国に最も近い国 ほか)
 2 美しく生きる(日本人の美意識の核心「いさぎよさ」;生き方の美学ほか)
 3 貝殻のなかの大洋(「もののあわれ」を知る心;桜、その散りぎわの美しさほか)
 4 祭りに込められた祈り(雛祭りの人形;お遍路さんをもてなす信仰 ほか)
   開けっ放し生活の安全と平和、女性の自由さと地位の高さ。西洋では感じない、見ら
   れない感動と美の世界を描くビューティフル・エッセイ。
次回は、ご承知の人もいると思うが、あえて江戸時代に来日した外人の日本人観を紹介する。