■新たなネット時代の到来@

 昨年来、様々な情報技術が国際情勢にも大きく影響するニュースが溢れている。
従来から、顧客リストの流出などの問題など発生していたが、近年は国家機密的なもの
まで漏洩する時代となってしまった。
例えば、最近ではフェイスブックを使って呼びかけを行ったことでチュニジアでの市民
デモが拡大し、その結果、大統領の逃亡というニュースにビックリさせられた。
引き続き中東最大の国、エジプトにも飛び火して、同様にフェイスブック情報網を引き金にした大規模デモが起こり、民主化の波が押し寄せて、今現在も混乱が続いている。
周辺国や中国なども戦々恐々となっているようである。 


 少し前のことでいえば、昨年9月に、わが国領土である尖閣諸島付近における中国漁船衝突事件が発生した。中国漁船が日本の領海である沖縄県尖閣諸島付近で違法操業し、その後日本の海上保安庁の巡視船に衝突してきたことに端を発する一連の事件である。
政府としての不可思議な決着に、疑問を感じている最中、11月になって漁船衝突時に海上保安官が撮影していた44分間の動画がYouTube上に流出した。中国漁船の理不尽な
というか、日本をなめたような行動が明確となり、中国の身勝手な対応を見せつけ
られたが、このビデオを見た多くの国々が、中国への不信感を増幅させることとなった。
また海外では年末にWikiリークスによる世界各国の国家機密の曝露が大問題となり
このサイトの創始者が、詰まらない事件で国際指名手配され、イギリスで捕まった話も
あった。
 このように情報化の進展により、一国を揺るがす事態が発生するような時代になってきている。新たな
情報革命の時代が始まったといえるかもしれない。
国内で発生している一連の政治不信につながる問題、検察の不正発覚、大相撲の八百長事件など、今までちゃんと機能していた仕組みが、音を立てて崩れていくような感じを受けている。情報技術や情報化の進展に伴い、既存の仕組みが機能不全に陥っているのかもしれない。

  昨年発行の日経ビジネスに「ソーシャルネット 人の絆が金を生む」という特集がされ、1997年「ポータルサイト乱立の時代」→2001年「グーグルの台頭で業界図一変」→
2007年「ソーシャル時代の到来」と情報化が進展し、個人と個人を繋ぐ「新しい社会」がネットに出現したと述べられている。
最近のニュースを見ていると、情報化の進展に歩調を合わせるかのように、何かが終わりを告げようとしているように感じるが、別の見方をすると、何かが始まりつつあるということだと捉えている。
そして、新たなネットサービスが世界中の多くのユーザーに使われ始めているようであり、私自身の理解度を増すためにも、次回のコラムで「最新のネットサービス」を簡単に紹介することとする。